日清紡績(株)(読み)にっしんぼうせき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日清紡績(株)」の意味・わかりやすい解説

日清紡績(株)
にっしんぼうせき

綿、化合繊を中心とした繊維会社。通称「日清紡」。1907年(明治40)設立。1937年(昭和12)には紡機70万錘余、織機7000台余を擁し、「五大紡」の一つに数えられるに至った。第二次世界大戦時には紡織部門の縮小を余儀なくされたが、反面、航空機用ブレーキ製品への生産転換は、戦後の自動車ブレーキ部門や製紙部門(航空機用ブレーキ・ライニングの素材は石綿紙)への多角化起点となった。戦後は、繊維原料製造からの一貫生産体制を目ざした多くの同業他社と異なり、紡績以降の繊維加工面に強力な地盤を確立することを目標に置く堅実な経営を展開。最近では家庭紙にも力を入れる。資本金276億円(2008)、売上高1319億円(2008)。浜松島田(静岡県)などに事業所をもつ。

[橘川武郎]

『日清紡績株式会社編・刊『日清紡績六十年史』(1969)』『日清紡績株式会社編・刊『日清紡100年史 1907-2007』(2007)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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