日吉谷遺跡(読み)ひよしだにいせき

日本歴史地名大系 「日吉谷遺跡」の解説

日吉谷遺跡
ひよしだにいせき

[現在地名]阿波町 日吉谷

吉野川北岸の長峰ながみね台地とよばれる中位段丘上、標高五八―六二メートルにある。平成元年(一九八九)から同二年にかけて四国縦貫自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査が、四〇八〇平方メートルを対象に実施され、旧石器時代から中世にわたっての遺物が出土している。検出されたおもな遺構は、旧石器時代のブロックが一ヵ所、弥生時代の竪穴住居跡、掘立柱建物跡、中世の掘立柱建物跡など。旧石器時代の遺物は石器が総点数三七七点で、おもな石器組成はナイフ形石器二三点、スクレーパー五点、石核四点など。石材はチャートがわずかに存在するほかはすべてサヌカイトで占められている。ナイフ形石器の素材となっている剥片は翼状剥片であり、翼状剥片石核の存在とともに瀬戸内技法による剥片剥離工程が色濃く残されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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