断絃余論(読み)だんげんよろん

改訂新版 世界大百科事典 「断絃余論」の意味・わかりやすい解説

断絃余論 (だんげんよろん)

三味線芸談。原武太夫著。1765年(明和2)ごろ成稿か。写本1巻。幕府の御留守居与力でありながら,三味線の名手として聞こえた武太夫が,1736年(元文1)秋,自分の芸に見切りをつけて三味線を捨てたのち,三味線に関する心得を問答形式で記したもの。調子の定め方,本手の手事の習練浄瑠璃の弾き方の鍛練の重要性,掛声のあり方などについて,芸の本質を詳しく述べている。
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