敵様・的様(読み)てきさん

精選版 日本国語大辞典 「敵様・的様」の意味・読み・例文・類語

てき‐さん【敵様・的様】

(「さん」は接尾語)
[1] 〘名〙
① (敵様) 「敵(一)①②」を軽くあしらう気持をこめていう語。「敵さん、なかなかやるね」
滑稽本・大千世界楽屋探(1817)上「雨蟇(あまげへろ)といふてぢゃから、的(テキ)さんも関東可(くゎんとべい)ぢゃな」
② 「敵(一)④」を敬ったり親しみの気持をこめたりしていう語。
[2] 〘代名〙 (的様) 親しみや、さげすんだ気持を込めていう語。
① 他称。話し手や相手以外の人をさしていう。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「夫(それ)だから他(ひと)の拳を見るとの、的(テキ)さんのは、や拳ぢゃ」
対称。相手をさしていう。おまえさん
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「銭相場が安うて、的(テキ)さんも引合ふまい

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