数ベクトル(読み)すうベクトル(英語表記)numerical vector

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「数ベクトル」の意味・わかりやすい解説

数ベクトル
すうベクトル
numerical vector

4次元以上のベクトルを考えるために,矢印で表わされるような図形的表現を用いないで,実数順序のついた組という考え方を採用して,2次元および3次元のベクトル (矢線ベクトルで表わせる) を拡張した概念である。 n 個の順序のついた実数の組 X=(x1x2x3,…,xn) を n 次元数ベクトルまたは n 項ベクトルといい,xi ( i=1,2,…,xn ) を x の第 i 成分または第 i 座標という。また 0=(0,0,0,…,0) を零ベクトルといい,単に 0 と書く。数ベクトル間の相等,加法,実数 λ との乗法を定義すると交換,結合分配法則が成立する。したがって,n 次元数ベクトル全体の集合は,実数体の上で加群となる。体の上の加群は,ベクトル空間をつくるから,この n 次元数ベクトル全体はベクトル空間となり,これを n 次元ベクトル空間と呼ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android