救米(読み)キュウマイ

デジタル大辞泉 「救米」の意味・読み・例文・類語

きゅう‐まい〔キウ‐〕【救米】

災害にあった人に支給する米。
「五升の御―を貰ふて」〈福沢学問のすゝめ

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精選版 日本国語大辞典 「救米」の意味・読み・例文・類語

すくい‐まい すくひ‥【救米】

〘名〙 江戸時代飢饉・災害などにあって困窮している人を救助するために施した米。施米(ほどこしまい)。おすくいまい
集義和書(1676頃)一六「多くのすくひ米を出し取立むとしても」

きゅう‐まい キウ‥【救米】

〘名〙 災害にあった人々を救うために供出、または交付する米。
※新聞雑誌‐三八号・明治五年(1872)四月「左之通救米を出せる由」

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改訂新版 世界大百科事典 「救米」の意味・わかりやすい解説

救米 (すくいまい)

江戸時代の困窮民に対する救恤(きゆうじゆつ)策の一つ。多くは飢饉,火災水害などの災害時,罹災窮民のいっそうの困窮化を防ぐため,幕府領主などによって与えられる救助米を指し,人々はこれを敬して御救米と称した。これに対して,民間で行われる救済の救助米は合力米,施行米と称される場合が多い。なお,窮民層の固定化現象が現れる江戸中期以降,災害時に限らず日常時の救済も企てられ,社会的底辺層に御救米が与えられた。1792年(寛政4)設立の江戸町会所による窮民救済は,日常時の窮民のほか,災害時の救済として,火災などの類焼者に限定されるものと,飢饉など江戸町人別の窮民全体を対象とするものとがあった。後者の場合は,江戸町人別のおよそ60%が窮民として御救米を受けた。御救米支給基準は,天保期(1830-44)以降,男1日米5合で,60歳以上,15歳以下および女は1日米3合,10日間支給にほぼ固定化した。
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