支・閊(読み)つかえる

精選版 日本国語大辞典 「支・閊」の意味・読み・例文・類語

つか・える つかへる【支・閊】

[1] 〘自ア下一(ハ下一)〙 つか・ふ 〘自ハ下二〙
① 行き詰まったり邪魔なものがあったりして先へ進めなくなる。ふさがってとおらなくなる。とどこおる。こみあう。
※室町殿日記(1602頃)四「藪につかへて鉄炮筋相違候之由」
咄本・鯛の味噌津(1779)三十ふり袖「きつい人ごみだ。お開帳のうちは通りがつかへてどふもならぬ」
※多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「返答に窮(ツカ)へてゐる間に」
② 胸がふさがる。
※京大二十冊本毛詩抄(1535頃)一「胸につかへた物が皆下たぞ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「胸が閉塞(ツカへ)て食事が進まなかった」
③ ささえる。
古事談(1212‐15頃)一「是にて腹胸などをつかへて居物也」
④ (「肩がつかえる」の形で) こる。しこる。
浮世草子・好色一代女(1686)一「此程つかえたる肩迄ひねらせた」
浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)野崎村「取り上したか頭痛もする。いかふ肩がつかへて来た」
[2] 〘他ア下一(ハ下一)〙 つか・ふ 〘他ハ下二〙 (「手をつかえる」の形で) 挨拶(あいさつ)のときなどに床に手をつく。
※浮世草子・好色一代男(1682)八「御前引舟女郎、禿(かぶろ)手つかえて座する」
[補注]室町時代頃からヤ行にも活用した。→つかゆ(支)

つか・う つかふ【支・閊】

〘自他ハ下二〙 ⇒つかえる(支)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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