引舟(読み)ひこふね

精選版 日本国語大辞典 「引舟」の意味・読み・例文・類語

ひこ【引】 舟(ふね)

山中で作って、下へ引きおろす丸木舟
万葉(8C後)一四・三四三一「足柄(あしがり)の安伎奈の山に比古布禰(ヒコフネ)の後(しり)引かしもよここば来がたに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の引舟の言及

【新造】より

…これとは別に,かむろを経ずに雇われてすぐに新造となるものがあり,この新造は売春をした。また,〈番頭新造〉は袖留をしたまま姉女郎の身辺を世話する役で〈世話新造〉ともいい,京阪ではこれを〈引舟(ひきふね)〉と称した。なお,江戸時代の武家や町家では妻女を御新造(ごしんぞう)とよぶことがあり,またときには結婚前の少女を新造といった。…

【太夫】より

…太夫は,容色が美しいだけでなく,芸能,文学,遊戯,茶道などの広い範囲にわたる高い教養を備えることを要求された。このため,かむろ(禿)の時代から厳重に仕込まれ,新造(または引舟(ひきふね)),天神と順次に昇進するうちに選びぬかれる。かむろ1000人中で太夫に達するのは3~5人ともいわれ,元禄ごろで遊女100人に対し太夫は2~4人であった。…

※「引舟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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