掻連(読み)かきつらぬ

精選版 日本国語大辞典 「掻連」の意味・読み・例文・類語

かき‐つら・ぬ【掻連】

(「かき」は接頭語)
[1] 〘他ナ下二〙
① つらねる。並べる。
※後拾遺(1086)秋上・二七四「わぎもこがかけて待つらん玉づさをかきつらねたる初かりの声〈藤原長能〉」
② それからそれへと思いを並べる。
源氏(1001‐14頃)須磨「かきつらね昔のことぞおもほゆる雁はその夜の友ならぬとも」
[2] 〘自ナ下二〙 人々と連れ立つ。かいつらぬ。

かい‐つ・る【掻連】

〘自ラ下二〙 (「かい」は接頭語) =かきつる(掻連)
蜻蛉(974頃)上「あなたの岸に、家の子、衛府のすけなど、かいつれて、みおこせたり」

かい‐つら・ぬ【掻連】

〘自ナ下二〙 (「かい」は接頭語) =かきつらぬ(掻連)(二)
伊勢物語(10C前)六七「むかし、をとこ、逍遙しに、思ふどちかいつらねて」

かき‐つ・る【掻連】

〘自ラ下二〙 (「かき」は接頭語) いっしょに行く。連れ立つ。伴う。かいつる。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「祭の日などは、物見に争ひゆく君だち、かきつれ来て」

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