掻く(読み)カク

デジタル大辞泉 「掻く」の意味・読み・例文・類語

か・く【×掻く】

[動カ五(四)]
指先やつめ、またはそれに似たもので物の表面を強くこする。「かゆい所を―・く」
手やそれに似たものであたり一帯にある物を引き寄せたり押しのけたりする。「雪を―・く」「手で水を―・いて進む」
刃物を手前に引いて切り取る。「寝首を―・く」
刃物を押し当てて細かく削りとる。「氷を―・く」「かつおぶしを―・く」
はしなどですばやく混ぜ合わせて粘液状の物にする。「からしを―・く」
すきなどで田畑を耕す。「苗代を―・く」
あまり好ましくないものを表面にだす。
㋐恥などを身に受ける。「赤っ恥を―・く」
㋑涙や汗などをからだの外に出す。「寝汗を―・く」「べそを―・く」
いびきを立てる。「高いびきを―・く」
「…する」をののしっていう語。「欲を―・くな」
琴などの弦をつめなどではじくようにする。掻き鳴らす。
「ただ少し―・き出でたる、大殿おとどのうちひびきみちていみじきを」〈宇津保・俊蔭〉
10 指先を物に食い込ませるようにしてつかまる。とりすがる。
はし立ての倉椅くらはし山をさがしみと岩―・きかねてわが手取らすも」〈・下〉
11 髪をくしけずる。
「目に髪のおほへるを―・きはやらで」〈・一五一〉
12 飯などを急いで食べる。かっこむ。
「猫殿、ただ―・き給え」〈盛衰記三三
13 手を振って合図する。
「『あなかま』と、手―・くものから」〈夕顔
[可能]かける
[下接句]汗をかく頭を掻く裏をかく靴を隔ててかゆきを掻く垢離こりを掻くすそを掻く寝首を掻く恥を掻く冷や汗をかくづらをかく麻姑まこかゆきを掻く・眉根まよね掻く
[類語]掻きむしる引っ掻く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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