推参(読み)スイサン

デジタル大辞泉 「推参」の意味・読み・例文・類語

すい‐さん【推参】

[名・形動](スル)
自分のほうから出かけて行くこと。また、招かれていないのに人を訪問することを、詫びる気持ちをこめていう。
夜中に―して奉行衆に逢いたいと云うのは宜しくない」〈鴎外堺事件
出すぎていること。差し出がましいこと。無礼なこと。また、そのさま。
「是は―な奴だ、人の運動さまたげをする」〈漱石吾輩は猫である

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精選版 日本国語大辞典 「推参」の意味・読み・例文・類語

すい‐さん【推参】

〘名〙
① (━する) 招かれもしないのに自分からおしかけていくこと。また、そうする人。また、人を訪問することを謙遜(けんそん)していう語。
御堂関白記‐寛弘三年(1006)七月一四日「定澄令申云。得業已上法師等卅余人許留、推参如何者」
※俳諧・犬子集(1633)一「鶯や梅に推参今日の春〈春可〉」
読本椿説弓張月(1807‐11)続「君王を諫んとて、後走(おくればせ)に推参(スイサン)し」
② (形動) さし出がましいこと。無礼なふるまいをすること。また、そのさま。ぶしつけ。なまいき。
太平記(14C後)一六「如何なる推参(スイサン)馬鹿者にてかありけん
阿部一族(1913)〈森鴎外〉「弱輩の身を以て推参(スヰサン)ぢゃ、控へたら好からう」

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