抜・吐(読み)ぬかす

精選版 日本国語大辞典 「抜・吐」の意味・読み・例文・類語

ぬか・す【抜・吐】

〘他サ五(四)〙
① 力や勢いをなくす。
※虎明本狂言・柿山伏(室町末‐近世初)「はねもはへぬものをとばせて、こしをぬかひたほどに」
② ある場所から逃げ出させる。ぬけ出させる。
※両足院本山谷抄(1500頃)七「世界のむつかしいをくっとぬけたいぞ。蝉のぬけがらの様にして此世界をぬかいてくれよぞ」
③ 入れるべきものを入れおとす。もらす。また、間を飛ばす。省略する。抜く。「一行ぬかして読む」
※絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「兎角爰をぬかしてならぬ括所じゃぞ」
④ 取って自分のものにする。ぬきとる。
※洒落本・色深睡夢(1826)下「えい道具はみなぬかして、おまへとふたり夜舟で、ほいとこさやるわ」
⑤ (吐) (口からもらすの意) 言う、しゃべるの意で、動作主をののしって用いる。言いやがる。
日葡辞書(1603‐04)「ナニヲ nucasuca(ヌカスカ)?」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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