抗酸菌症治療剤(読み)コウサンキンショウチリョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「抗酸菌症治療剤」の解説

抗酸菌症治療剤

製品名
《リファブチン製剤》
ミコブティン(ファイザー

 抗結核剤のリファンピシン製剤を改良した抗菌剤で、結核症マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症(この菌は自然環境に広く存在している点が結核菌と異なり、ヒトからヒトへの感染はなく、したがって排菌者を隔離する必要もない)、HIV感染症患者における播種性MAC症の発症抑制に用いる薬です。この薬は、リファンピシン製剤の使用が困難な場合に用います。ほかの抗HIV薬と相互作用が少ないという特長があります。


①肝機能異常、黄疸おうだん肝炎、白血球・血小板・汎血球減少、貧血、ショック、心停止、心室細動、不整脈、脳・消化管出血、偽膜性大腸炎、深部静脈血栓症、血栓性血小板減少性紫斑病、腎機能障害、けいれん、筋けいれん、歩行障害、精神病性障害、ぶどう膜炎(充血、眼痛、霧視むし羞明しゅうめい)が現れることがあります。このようなときは、使用を中止して、ただちに医師に報告してください。


②また、吐き気・嘔吐腹痛下痢発疹ほっしん、口内炎、皮膚変色、筋肉・関節痛、頭痛、めまい失語症不眠抑うつ、感情不安定、頻尿、勃起障害、腎障害、血尿、呼吸困難、せき、鼻出血、味覚・聴覚・視覚異常、発熱、むくみ、偽膜性大腸炎などが現れることがあります。


 このような症状が現れたときは、医師に相談してください。


①カプセル剤で、1日1回の服用です。この薬の服用で、尿や便、皮膚、唾液、たん、汗、涙液などが橙赤色になることがあります。ソフトコンタクトレンズが着色することがあります。


②この薬の成分またはリファンピシン製剤に対し過敏症の既往歴がある人や、ポリコナゾール製剤、グラゾプレビル水和物製剤、エルバスビル製剤、ダクラタスビル塩酸塩製剤、アスナプレビル製剤、チカグレロル製剤を使用中の人は使えません。


重度の肝・腎機能障害のある人及び妊婦は医師に相談してから用いてください。また、この薬を使用中は長期的に血液及び肝機能検査や腎機能検査を受けてください。


④ほかの薬を使う場合は必ず医師に相談してください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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