抉・刳(読み)えぐり

精選版 日本国語大辞典 「抉・刳」の意味・読み・例文・類語

えぐり ゑぐり【抉・刳】

〘名〙 (動詞「えぐる(抉)」の連用形の名詞化)
刃物などを物に突き刺して回すこと。また、突き刺してその部分をくりぬくこと。
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)二「長刀〈略〉、ぐっと通して一ゑぐり」
② 真実をついて、人を感心させるような、鋭い表現。
※寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉一一号「地獄沙汰も金次第が古今の穿(ヱグ)り」
③ くふうをこらして人の意表に出るような変わった趣向を凝らすこと。ひねり。うがち。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「女郎も好(いい)男を廃(すて)醜夫(ぶおとこ)を見えにするさうだから、人も段々ゑぐりとやらになったのさ」
④ 相手を鋭く追及したり、心を探ったりすること。

えぐ・れる ゑぐれる【抉・刳】

〘自ラ下一〙 ゑぐ・る 〘自ラ下二〙 物の表面などに、無理にくりぬいたような穴があく。
※俳諧・江戸新八百韻(1756)「南無阿彌陀仏縁あらば又〈米仲〉 二三間ゑくれて戻る礒の浪〈龍眠〉」

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