批評文学(読み)ひひょうぶんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「批評文学」の意味・わかりやすい解説

批評文学
ひひょうぶんがく

日本で,批評文学として自立するには,やはり小林秀雄の存在が大きかった。彼の出現によって初めて,批評が単なる啓蒙 (けいもう) 的,また時評的役割を脱し,自己の主観思想を他において語る自律した主体営為となったからである。その後,河上徹太郎中村光夫福田恆存山本健吉,唐木順三らが輩出し,他方,内にマルクス主義とのかかわりを保ちながら平野謙,花田清輝らも独自の批評世界を築いた。また,最近は,吉本隆明江藤淳山崎正和,柄谷行人らが,文芸批評の枠を越えて,社会・思想という分野でも活発な活動を展開している。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android