打任(読み)うちまかす

精選版 日本国語大辞典 「打任」の意味・読み・例文・類語

うち‐まか・す【打任】

[1] 〘他サ下二〙 (「うち」は接頭語)
相手のするままにしておく。放任する。また、自分に関することを他人にゆだねる。委任する。
※浜松中納言(11C中)五「よろづをただうちまかせ聞え給ひて」
風姿花伝(1400‐02頃)一「うちまかせて、心のままに、せさすべし」
② 普通のこととする。ありきたりのこととして扱う。ありふれている。→打ち任せて
富家語(1151‐61)「仰云。陪膳は公達打任てすれども、諸家へ行や落ちぶれぬるにはきたなき事」
※宇治拾遺(1221頃)四「このやまひのありさま、うち任せたることにあらず」
[2] 〘他サ五(四)〙 (「うち」は接頭語) (一)①に同じ。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四「全然打任かして思ふままに意見を行ふの余裕を与へられたことを謝し」

うち‐まかせ【打任】

〘名〙 尋常一通り。普通。
義経記(室町中か)六「うちまかせの座敷ならば、などか推参せざるべき」

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