手結(てつがい)(読み)てつがい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「手結(てつがい)」の意味・わかりやすい解説

手結(てつがい)
てつがい

手番とも書く。2人1組の番をつくって競い合わせることを意味するが、とくに騎射・賭射(としゃ)の際、左右衛府(えふ)から出た射手が射技を競うことをさすことが多い。本来、本番に備えた訓練であるが、5月3日に左近衛府(さこのえふ)の荒(あら)手結、4日に右近衛府の荒手結と、予行を行い、5日が左近の真(ま)手結、6日が右近の真手結であった。真・荒とは精粗を示すことばで、両府の真手結の日は「日をりの日」とも称した。平安時代以降の史料にみえるが、武徳殿での騎射の節が廃絶したのちも、大将の主宰する左右近衛府の手結として存続した。また正月の賭弓(のりゆみ)の際にも行われた。

[杉本一樹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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