手焙(読み)てあぶり

精選版 日本国語大辞典 「手焙」の意味・読み・例文・類語

て‐あぶり【手焙】

〘名〙 手をあぶるのに用いる小さい火鉢。《季・冬》
※俳諧・誹諧通俗志(1716)時令「手あふり」
談義本・山家一休(1770)三「手あぶりは昼夜さすられても一生、伯屋の盤は毎日たたかれても一生はすぐすなり」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「手焙」の意味・わかりやすい解説

手焙
てあぶり

冬季に茶席や腰掛待合(こしかけまちあい)に置いて暖をとるための小形の火鉢。手炉(しゅろ)ともいう。手焙の好みとしては、風炉(ふろ)師善五郎(ぜんごろう)につくらせた「利休形」(『茶道筌蹄(せんてい)』)が最初と考えられる。その種類としては瓦器(がき)のほか、陶製、金属製、木製に漆や蒔絵(まきえ)を施したものなどがある。

[筒井紘一]

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