手心(読み)てごころ

精選版 日本国語大辞典 「手心」の意味・読み・例文・類語

て‐ごころ【手心】

〘名〙
① 手にのこっている感じ。経験によって自然に身についたわざ。手練。てなみ。ておぼえ。わざまえ。
※新撰六帖(1244頃)二「岩はざますむあら熊のて心を見ねばや人のあだにかるらん〈藤原信実〉」
※浄瑠璃・唐船噺今国性爺(1722)上「横になぐる太刀音に〈略〉きれ口手心は良けれ共あばら三枚かかったり」
② (━する) ほどよく加減をすること。また、その加減。手加減
※古事談(1212‐15頃)四「義家云、さほどのものの誠不之云々。さやかにてありなむとて打帰了。此事を手心とはいひけるなり」
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉学生「歴史地理なんてものは〈略〉手心で辛くも易くも点を附けられる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「手心」の意味・読み・例文・類語

て‐ごころ【手心】

状況に応じて加減すること。考慮して寛大に扱うこと。手加減。
経験して得た感触が手先などに残っていること。また、身についた技。
「切れ口―は良けれども」〈浄・今国性爺〉
[類語]手加減容赦匙加減お手盛り手心を加えるお手柔らか手柔らかお情け斟酌酌量忖度そんたく心配り気配り心遣い気遣い

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