懸離(読み)かけはなれる

精選版 日本国語大辞典 「懸離」の意味・読み・例文・類語

かけ‐はな・れる【懸離】

〘自ラ下一〙 かけはな・る 〘自ラ下二〙
① 遠く隔たって離れる。はるかに遠くなる。隔絶する。
小町集(9C後か)「みくさみの わが身にかけて かけはなれ いつか恋しき 雲のうへの 人にあひみて」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「遠方かけはなれ居り候ところは」
関係が、ごく薄くなる。疎遠になる。親しみが薄らいでいく。
蜻蛉(974頃)下「ちぎりおきしうづきはいかにほととぎすわがみのうきにかけはなれつつ」
両者の間に大きな相違がある。大きな懸隔がある。隔たりが大きい。
源氏(1001‐14頃)夕顔「『さばかりにや』と、ささめきしかば、惟光をかこちけれど、いと、かけはなれ、気色なく言ひなして」
明暗(1916)〈夏目漱石〉二六「叔母の生活気分と丸で懸(カケ)(ハナ)れたものらしく見えた」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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