懸隔(読み)ケンカク

デジタル大辞泉 「懸隔」の意味・読み・例文・類語

けん‐かく【懸隔】

《古くは「けんがく」とも》
[名](スル) 二つ物事がかけ離れていること。非常に差があること。「世代間の社会意識懸隔している」
[副]程度のはなはだしいさま。ことのほか。
「是は―心やすい」〈浄・日本武尊〉
[類語]隔たり開き距離径庭違い差異相違異同誤差小異大差同工異曲大同小異分かち格差落差僅差個人差不一致異質ギャップわだかまりしこりげき疎隔ずれ行き違い食い違い相容れない対立もやもや遠い遠遠しい縁遠い薄い疎遠遠縁とおえん無縁疎い

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精選版 日本国語大辞典 「懸隔」の意味・読み・例文・類語

けん‐かく【懸隔】

(古くは「けんがく」とも)
[1] 〘名〙 (形動)
① 二つの物事が大きく違っていること。かけ離れていること。また、場所がへだたっていること。へだたり。隔絶玄隔
落窪(10C後)三「かくうき宿世も知り給はで、うへのけんかくにおぼしかしづきしを」 〔史記‐高祖紀〕
② 度はずれていること。程度のはなはだしいさま。
※虎明本狂言・鈍太郎(室町末‐近世初)「してもあのやうに、けんがくな事をいはします」
[2] 〘副〙 程度のはなはだしいさま。ことのほか。ずいぶん。きわめて。
※俳諧・口真似草(1656)「雉子の声はけんがく高き調子哉〈梅盛〉」

かけ‐へだ・つ【懸隔】

[1] 〘他タ下二〙 ⇒かけへだてる(懸隔)
[2] 〘自タ四〙
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝四四「田や畑で懸隔(カケヘダ)って誰も通りゃアしねえ」
※応永本論語抄(1420)微子第一八「菜と麦とは、形懸(カけ)隔て見分よき物也」

かけ‐へだて【懸隔】

〘名〙 両者の間に、気持の上で距離のあること。遠慮のあること。また、両者の間に大きな違いや差をつけること。
※それから(1909)〈夏目漱石一四「懸隔(カケヘダ)てのない交際振」

かけ‐へだたり【懸隔】

〘名〙 二つの物の間が遠く離れること。大きな違いがあること。懸隔て。

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普及版 字通 「懸隔」の読み・字形・画数・意味

【懸隔】けんかく

遠く隔たる。

字通「懸」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の懸隔の言及

【流通】より

…それは,現代社会においては生産と消費が分化し,そこには,そのままでは(つまり商品の移転ということなくしては)経済循環が完成しえないという意味での社会的な溝があるからである。この社会的な溝を,流通論では,一般に懸隔と呼んでいる。久保村隆祐によれば,生産と消費の社会的分化により,次のような懸隔が認識されることになる。…

※「懸隔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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