懸腕法(読み)けんわんほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「懸腕法」の意味・わかりやすい解説

懸腕法
けんわんほう

習字用語。枕腕(ちんわん)法、提腕(ていわん)法とともに腕法の一つ。筆を持った右手を、枕腕法では左手の上にのせ、提腕法では机上に接して支えるのに対し、肘(ひじ)を体側につけず、宙に浮かして書く方法。他の腕法に比べて腕の動きがより自由なため、とくに大きな字を書くのに向いており、また初心者の運筆の練習に適している。筆を紙面に対して直角に保つのが肝要で、懸腕直筆(ちょくひつ)ということばが用いられる。なお、懸腕法の一種として、筆管を親指と他の4指の先で持ち、肘を大きく張って腕を前方に巡らすように構える廻腕(かいわん)法がある。

松原 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android