慧日寺跡(読み)えにちじあと

国指定史跡ガイド 「慧日寺跡」の解説

えにちじあと【慧日寺跡】


福島県耶麻(やま)郡磐梯(ばんだい)町磐梯にある平安時代初期の寺院跡。南都(奈良)の法相宗(ほっそうしゅう)の徳一(とくいつ)(8世紀半ば~9世紀前半)が会津に下り、創建した。磐梯山を奥院として成立したと思われ、山岳信仰と密接に結びつき、多くの僧兵を保持して会津一円を支配するようになった。平安末期から鎌倉時代にかけて、密教化、修験(しゅげん)化して、16世紀後半の伊達・蘆名の摺上原の戦いで大部分が焼失した。寺域はほぼ1haで礎石が残り、創建当初は、中門・金堂講堂・食堂が南北一列に建立されたことが判明している。金堂跡には現在の磐梯神社がある。1970年(昭和45)に国指定史跡となり、1986年(昭和61)に追加指定され、戒壇(かいだん)跡といわれている墳丘状の遺跡、徳一廟、観音寺跡と推定される礎石、常行寺跡または花輪寺跡と思われる建物跡などが、一帯を含めて国の史跡に指定されている。JR磐越西線磐梯町駅から徒歩約30分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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