感光性高分子（読み）カンコウセイコウブンシ

化学辞典 第2版

感光性高分子
カンコウセイコウブンシ
photosensitive polymer

光照射を受けたとき，急速に光化学反応を起こして，架橋，その他の構造の変化をもたらすポリマーをいう．カゼイン，ポリ(ビニルアルコール)などに二クロム酸塩を加えた光レジストは，古くから写真製版に使用されてきたが，最近ではポリマー自体に感光性があるポリケイ皮酸エステル系，アジド化樹脂などを光により橋かけ反応を行わせて不活化させる方法，ジビニル化合物などをあらかじめ混合しておき，光の照射により重合反応を行わせて不溶化させる方法などが開発された．また，光の照射により発色あるいは退色するような官能基を導入したポリマーも開発され，画像形成，写真製版あるいはメモリー要素などとして利用できるものも開発されている．LSI，メモリーチップなどマイクロエレクトロニクス分野での微細加工にも使用されている．

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

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感光性高分子【かんこうせいこうぶんし】

光を当てたとき，重合や橋かけ，着色などの化学変化を起こす高分子材料の総称。広義には，光導電性などの物性変化を起こすものも含めることがある。ジアゾ基，アジド基，ケイ皮酸基など，光照射により活性化する官能基を高分子側鎖に含むか，単量体と重合開始剤を添加したものなどが多い。フォトレジストなどに使用。
→関連項目機能性高分子

出典　株式会社平凡社