惣社村(読み)そうじやむら

日本歴史地名大系 「惣社村」の解説

惣社村
そうじやむら

[現在地名]市原市惣社

山田橋やまだばし村の西方に位置し、南方を養老ようろう川が西流する。村名は惣社に由来するが、その鎮座地はかつて集落があったとされる十二所じゆうにしよの近くであったという。また上総国分寺が建立されていた。地内に大間殿おおまでん太子堂てえしどう殿屋敷とのやしき初穂田はつほでんなどの地名がある。天正一八年(一五九〇)五月の豊臣秀吉禁制(榊原家文書)に市原庄内として「そう志や」とみえる。治承四年(一一八〇)源頼朝が市原八幡宮(現飯香岡八幡宮)に寄進した神田のなかに市原庄総社村五町が含まれていたという(元禄一〇年「飯香岡八幡宮由緒本記」飯香岡八幡宮蔵)。文禄三年(一五九四)の上総国村高帳に村名がみえ、高二九二石。正保国絵図でも同高であるが、元禄郷帳では高三七八石余。寛政五年(一七九三)の上総国村高帳では高三七八石余で家数五六、三卿の清水領と旗本小栗領。清水領分は文政八年(一八二五)より貝淵藩(請西藩)領。天保郷帳では高四一七石余。旧高旧領取調帳では小栗領二七四石余のほか、請西藩領一四二石余。

惣社村
そうじやむら

[現在地名]栃木市惣社町

国府こう村の北東、おもい川右岸に位置し、南は村に接し、思川を渡ると壬生みぶ城下に至る。「延喜式」神名帳記載の都賀つが郡内「大神オホムワノ社」に比定される大神おおみわ神社があり、同社は近世に室八島むろのやしま明神・惣社六所そうじやろくしよ明神などともよばれ、また田村を中心域として下野国府が存在したこと、当地域を歌枕でも高名な室八島とよぶことから、下野国の惣社、室六所むろのろくしよ神社とする説が有力である。村内の地名として国府に関連するとみられる府中ふちゆうのほか職能集団を思わせる鋳物師内いもじち内匠屋たくみやや、宿・三軒屋さんげんや馬場ばんば関場せきばなどがある。

惣社村
そうざむら

[現在地名]松本市惣社

おお村・横田よこた村の南、山辺やまべ地区の湯の原ゆのはら荒井あらい兎川寺とせんじ村の西に接する。美ヶ原うつくしがはら高原から流れ下るすすき川の扇状地の上にあり、浅間あさま村から南に流れる浅間湯川と、湯の原を通って西流する山辺湯川のつくる平地である。村の中心は古代から鎮座の総社伊和いわ大明神で、土地は西に傾き、松本城の真東にあたる。

天正検地では二六四石九斗八升と高付けされており、享保九年(一七二四)当時の石高は四〇五石三斗二升七合と倍増している。寛文年間(一六六一―七三)水田は二〇町九段四畝六歩、畑地は一一町八段五畝九歩である。

惣社村
そうじやむら

[現在地名]津山市総社そうじや

津山城下町の北北西丘陵地に立地。南は小田中おだなか村、南東平地部は山北やまきた村に接し、北端は標高三〇八・四メートルの神楽尾かぐらお山山頂に達する。村名は美作国総社が所在することによる。西北条さいほくじよう郡に属し、元禄一一年(一六九八)以後も津山藩領。正保郷帳によると田方一七八石余・畑方一一九石余、元禄一〇年の美作国郡村高辻帳では四六三石余で、うち改出高九三石余・開高一一一石余。天保九年(一八三八)の津山領郷村帳では四七〇石余。本村と町作分に分れており、文政元年(一八一八)の津山領郷村帳によると本村二八三石余・町作分一八〇石余。

惣社村
そうしやむら

[現在地名]豊津町惣社

はらい川西岸、豊津台地北端部に位置し、東は国作こくさく村。国作村との境に豊前国府跡推定地があり、村名は豊前国惣社に由来すると思われる。元禄豊前国高帳では「ソウジャ」と訓じる。元和八年人畜改帳では給人一人分の高一九九石余、家数一九・人数三六(うち庄屋一・本百姓三・名子など九)、牛五・馬二。寛永九年(一六三二)小倉藩主として小笠原氏が入部した後に国分村から一三石の渡高があった(嘉永五年仲津郡本田畑御勘定帳)

惣社村
そうじやむら

[現在地名]西郷町下西しもにし

下西村の南西方に位置する。近世は下西村の枝郷として扱われることが多い(貞享五年「増補隠州記」など)。村名は隠岐国惣社とされた玉若酢命たまわかすみこと神社が鎮座していたことに由来する。寛永三年(一六二六)の免相状(隠岐国代考証)に惣社分として米高二七石余のうち明神領一〇石余、日損八石余で、稗高・大豆高・小豆高・麦高は記載されるがいずれも物成なしで、納合二石余、うち半分は御蔵入とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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