快・心良(読み)こころよい

精選版 日本国語大辞典 「快・心良」の意味・読み・例文・類語

こころ‐よ・い【快・心良】

〘形口〙 こころよ・し 〘形ク〙
[一] (心良) 心がきれいである。気立てがよい。お人好しである。
大和(947‐957頃)一四二「本の妻いと心よき人なれば、男にもいはでのみなむありわたりけれども」
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)五「さりとは心よい商人(あきんど)
[二] (快) 気持のよいさま。
① 心に楽しく、愉快に感じるさま。感覚的に快適である。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「其の秋(あき)垂穎(たりほ)八握(やつかほに)莫莫然(しな)ひて、甚だ快(ココロヨシ)
古今集遠鏡(1793)二「これはこれはめづらしい秋風ぢゃ、さても涼しいこころよい」
帰郷(1948)〈大仏次郎〉客「冷覚ではなく、皮膚を熱して快よいものであった」
② 気持に不愉快なところや、ひっかかるところがなく、さっぱりしているさま。気にくわないところのないさま。
※守護国界主陀羅尼経巻八平安初期点(900頃)「善いかな、善逝、快(ココロヨク)斯の義を説きたまはく」
※栄花(1028‐92頃)様々のよろこび「摂政殿心よからぬ様に思し宣はせたり」
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉五「時平は、かく道真の重く用ひらるるを、こころよからぬ事に思ひて」
病気による、苦しい気分のないさま。病気がよくなった、また、なおったさま。
※苔の衣(1271頃)四「一かたならぬ御物おもひのけにや、このほどうちへも、心よからねばことにさしいでなどもしたまはぬを」
こころよ‐げ
〘形動〙
こころよげ‐さ
〘名〙
こころよ‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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