心を付く(読み)こころをつく

精選版 日本国語大辞典 「心を付く」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 を 付(つ)

① 思いをかける。心を寄せる。執着する。
万葉(8C後)一九・四一六二「うつせみの常なき見れば世の中に情都気(こころツケ)ずて思ふ日そ多き」
※為相本曾丹集(11C初か)「わが宿のもとあらの桜咲かねども心をつけて見ればたのもし」
② 考えを持つようにさせる。物思う心をいだかせる。感慨を催させる。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「思ふことなすこそ神もかたからめしばしなぐさむ心つけなん」
※新古今(1205)秋上・二九九「おしなべて物を思はぬ人にさへ心をつくる秋の初風〈西行〉」
③ 正気づく。われに帰る。
浄瑠璃伽羅先代萩(1785)二「現(うつつ)ないお姿では御家来中の見る目も気の毒、心をお付遊ばせと」
④ 気をくばる。気をつける。また、気をつけさせる。
徒然草(1331頃)一八四「物は破れたる所ばかりを修理して用ゐる事ぞと、若き人に見ならはせて心つけんためなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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