心に適う（読み）ココロニカナウ

デジタル大辞泉

心こころに適かな・う

１ 気に入る。満足に思う。「お―・うように努力します」
２ 思いどおりになる。心のままになる。
「命だに―・ふものならば何か別れの悲しからまし」〈古今・離別〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こころ【心】 に 適(かな)う

① 思う通りになる。意のままになる。

※古今（905‐914）離別・三八七「命だに心にかなふ物ならばなにか別れの悲しからまし〈白女〉」

※平家（１３Ｃ前）一「賀茂川の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなはぬものと、白河院も仰せなりけり」

② 予期、希望、不満などを満たしてくれる。望ましく思っていたものを得て、満足する。気に入る。

※宇津保（970‐999頃）忠こそ「世を逆さまになさむといふとも、こころにかなふものならば、まかせて見むと思ふ」

※歌舞伎・韓人漢文手管始（唐人殺し）（1789）四「なんと親の言付でも、心に叶わねば背(そむ)くでないか」

出典　精選版 日本国語大辞典