心ここにあらざれば視れども見えず(読み)こころここにあらざればみれどもみえず

故事成語を知る辞典 の解説

心ここにあらざれば視れども見えず

精神集中していないまま、何かをしている状態のたとえ。

[使用例] 内藤は心ここにあらずといった様子で、迫力のないシャドー・ボクシングをだらだらと行なっていた[沢木耕太郎一瞬の夏|1981]

[由来] 「礼記大学」の一節。「心ここに在らざれば、れども見えず(心が他のことにとらわれていると、たとえ目がそちらに向いていても、きちんと見てはいない)」のあと、「聴けども聞こえず、食らえどもの味を知らず(耳を傾けていても聞いてはいないし、食べていてもその味はわからない)」と続いています。心身を鍛えるには、精神の集中が大切だ、ということを述べた一節です。

〔異形〕心ここにあらず。

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