徳倉村
とくらむら
[現在地名]清水町徳倉・中徳倉
曲流する狩野川の左岸に位置し、村の北辺と東辺を同川によって画される。徳倉は得倉とも書いた。狩野川を挟んで北は柿田村、同じく狩野川を挟んで東は湯川村・的場村、伊豆国長伏村（現三島市）。南西に徳倉山（二五六メートル）がそびえ、この山から東に延びて出城山（手城山）に至る稜線を境に南は大平村（現沼津市）、同じく徳倉山から北に延びて横山とをつなぐ稜線を境に西は上香貫村・下香貫村（現同上）。集落は北部の下徳倉、中央西寄りの中徳倉、南部の上徳倉と大きく三つに分れ、下徳倉に本城山、中徳倉に普光寺山がある。中世には徳倉郷（得倉郷）とよばれ、本城山に戦国時代の徳倉城跡がある。
〔中世〕
建武四年（一三三七）一一月一〇日、足利尊氏によって某社（宛所欠）に神用米料所として寄進され、一円不輸の地となった（「足利尊氏寄進状」明治百年大古書展即売展観出品目録）。延徳二年（一四九〇）九月三日、将軍足利義材によって「大平・得倉・日守参箇郷」などが布施梅千代丸に安堵されている（伺事記録）。天文九年（一五四〇）三月二九日には北条氏康が桃源院（現沼津市）に禁制を下し、「徳倉・太平・日守三ケ郷」の百姓らの狼藉を禁じている（「北条氏康禁制写」判物証文写）。
徳倉村
とくらむら
[現在地名]三島市徳倉・徳倉一―二丁目・
富士ビレッジ・
芙蓉台一―三丁目
大場川の上流左岸に立地し、箱根山外輪山の西側裾部分にもあたる。南の幸原村とはかつて一村であったと伝える。西は駿河国駿東郡中土狩村（現長泉町）。永正一六年（一五一九）四月二八日伊勢長氏（北条早雲）は子息菊寿丸（北条長綱）に、箱根（現神奈川県箱根町箱根神社）領別当堪忍分在所「とくら」一二〇貫文などの地を含めた総計四千四六五貫六一四文を安堵している（「伊勢長氏箱根領注文」箱根神社文書）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
