御立(読み)おたち

精選版 日本国語大辞典 「御立」の意味・読み・例文・類語

お‐たち【御立】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 出発することを、その動作をする人を敬っていう語。
太平記(14C後)八「宮、篠村を御立有て西山の峯堂を御陣に召され」
酒食を強くすすめること。また、来客が帰ろうとするときにすすめる酒食。葬式の出発時に食べる酒食。
浜荻庄内)(1767)「客に飯(めし)を強んとて亭主の鉢に立を〈略〉酒田詞はお立也」
[補注]②の語源諸説ある。「おだ(煽)ち」か〔気仙ことば〕。戦国時代、軍の出立前に兵糧をつかうことを勧めて、「今が御立」といったところから〔仙台方言〕。客の立ち際に飲食を勧めたところから〔越佐方言集〕。

み‐たたし【御立】

〘名〙 (「み」は接頭語、「たたし」は連語「たたす(立)」の連用形から) お立ちになること。
万葉(8C後)五・八六九「帯日売(たらしひめ)神の命(みこと)の魚(な)釣らすと美多々志(ミタタシ)せりし石を誰見き」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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