御殿前遺跡(読み)ごてんまえいせき

日本歴史地名大系 「御殿前遺跡」の解説

御殿前遺跡
ごてんまえいせき

[現在地名]北区西ヶ原二丁目・上中里一丁目

旧石器時代、縄文時代前期・中期・後期、弥生時代中期・後期、古墳時代前期・後期、奈良・平安時代、中世近世に至る複合遺跡。とくに発掘された律令期の官衙関連遺構は豊島郡衙に比定されており、都内で初めて確認された郡衙遺跡である。当遺跡は武蔵台地東端標高二〇メートルほどの南北方向に延びる本郷台とよばれる台地上に位置する。東側の眼下には東京低地を望み、同じ台地には縄文時代前期の集落である七社神社前ななしやじんじやまえ遺跡、縄文時代後期の西ヶ原にしがはら貝塚、弥生時代中期の環濠集落として知られる飛鳥山あすかやま遺跡などの遺跡が所在する。

豊島郡衙関連の遺構が初めて確認されたのは、昭和五七年(一九八二)八月から行われた農業技術研究所跡地地区防災整備計画に伴う発掘調査によるもので、郡庁・館・厨・曹司などの郡衙の主要施設が発掘された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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