御所入(読み)ごしよのいり

日本歴史地名大系 「御所入」の解説

御所入
ごしよのいり

[現在地名]石巻市湊 御所入

まき山の南西部、大門崎だいもんざき北西に位置する山峡前の扇状の平地。「ごしょいり」ともいう。元禄年間(一六八八―一七〇四)の「牡鹿郡万御改書上」みなと村の条に「町裏 御所入 居久根前林 古館」とある。「観蹟聞老志」は「御所曲隈ごしよのいりえ」として、建武年間(一三三四―三八)義良親王(のちの後村上天皇)がこの地に住したための地名とする。嘉永三年(一八五〇)の湊村風土記(「石巻市史」所収)は旧跡二九ヵ所の筆頭にあげ、「御所ノ入江 建武年中之由、後醍醐天皇第二王子当国御下向被遊候節、供奉仕候臣日野日下平塚氏と申伝候、当村御所被為建御住居被遊、則薨御被遊候を一皇子大明神と奉崇候由、右御所之旧跡ニ付御所入と云伝候」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報