御家物(読み)オイエモノ

デジタル大辞泉 「御家物」の意味・読み・例文・類語

おいえ‐もの〔おいへ‐〕【御家物】

御家狂言

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精選版 日本国語大辞典 「御家物」の意味・読み・例文・類語

おいえ‐もの おいへ‥【御家物】

〘名〙
評判記・嗚久者評判記(1865)「敵役之部追加。〈略〉田舎おやぢと外題をつけ、ごまのゑんでのお家ものを、せりふまはしにならべた仕打
俳優などが自家の得意の芸として家伝されるもの。お家の物。お家芸。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御家物」の意味・わかりやすい解説

御家物
おいえもの

歌舞伎,浄瑠璃脚本の種類。御家狂言,御家騒動物ともいう。江戸時代の大名旗本の家に起った騒動を扱ったもの。江戸幕府に対し歴史的事実をそのまま脚色することを遠慮して,時代を南北朝や室町期に移し,架空の物語の形をとるものが多い。大身の武家悪臣横領を企て,忠臣がこれを滅ぼすという大筋をいろいろに変化させたもので,仇討物もこれに入る。江戸よりも上方に多く,元禄期の脚本はほとんどこの御家物であった。代表的なものに赤穂義士の『仮名手本忠臣蔵』,加賀騒動の『加賀見山旧錦絵 (かがみやまこきょうのにしきえ) 』,伊達騒動の『伽羅先代萩 (めいぼくせんだいはぎ) 』などがある。

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