御子・皇子・皇女（読み）みこ

精選版 日本国語大辞典

み‐こ【御子・皇子・皇女】

〘名〙 (「み」は接頭語)

① 神の子。天皇の子。天皇の子孫。男女ともにいう。

※古事記（712）上「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国は、我が御子(みこ)、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命の知らす国ぞ」

② 親王(しんのう)。天皇の皇子で、親王宣下を受けたもの。

※古今（905‐914）春上・二一・詞書「仁和のみかど、みこにおましましける時に」

③ 子の敬称。

※功徳天法保延三年点（1137）「子(ミコ)、我に何等の物を作らしむと欲するぞ」

④ キリストの敬称。三位一体論における第二位格で、第一位格たる父の子としての呼称。なお第三位格は聖霊(せいれい・みたま)。

※椿姫（1903）〈長田秋濤訳〉四「神はその御子(ミコ)を斯土に降して宥恕と仁慈の模範を示めし」

[補注]「御子」という表記は親王・皇子以外の高貴な子女に関しても用いるが、平安時代の仮名文学では「おおんこ」と読みならわされている。

出典　精選版 日本国語大辞典