引佐町(読み)いなさちよう

日本歴史地名大系 「引佐町」の解説

引佐町
いなさちよう

面積:一二一・三二平方キロ

引佐郡の北東部に位置する。東は観音かんのん山の山系を境に天竜市・浜北市・浜松市、北西は浅間せんげん山・富幕とんまく山などの赤石山脈の支脈弓張ゆみはり山脈を境に愛知県南設楽みなみしたら鳳来ほうらい町、南は細江ほそえ町に接する。町域中央部にきり山の山塊があり、北部渋川しぶかわに発する都田みやこだ川は獺淵おそぶち川を合流し、山塊の東を南下して浜松市域に入る。西黒田にしくろだから町域中央部を南に流れる井伊谷いいのや川は、西部奥山おくやまから流れる神宮寺じんぐうじ川と井伊谷で合流し、細江町で都田川に合流する。南端金指かなさしは町の玄関口をなし、浜松市からの国道二五七号は金指から町の中心部を北上、鳳来町に抜けている。これに東西に延びる国道三六二号が金指で交差し、この道路に並行して走る天竜浜名湖鉄道に金指駅がある。

当町域の三〇ほどの遺跡の多くは南部に集まっている。花平はなだいら遺跡から旧石器が、花平地内谷下やげ白岩しらいわの石灰岩採石場から旧石器時代と思われる化石人骨が採集されている。縄文時代の遺跡としては井伊谷・正楽寺しようらくじ、弥生時代の遺跡は本屋敷もとやしきが知られているが、調査はほとんどなされていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報