廿日市宿(読み)はつかいちじゆく

日本歴史地名大系 「廿日市宿」の解説

廿日市宿
はつかいちじゆく

広島城下と玖波くば宿(現大竹市)の間に置かれた近世山陽道の宿駅。「津和野亀井記」寛永七年(一六三〇)の記事に「廿日市駅」「御本陣鳥屋市右衛門」、翌年の領内宿駅駄賃の定書(「済美録」所収)当宿名がみえる。同一三年六月一日の定書(同書所収)では、駄賃は「一草津迄駄賃銭三十六文、一久波迄同九十文、一津田迄同六十六文」とある。また同一五年の廿日市町地詰帳(「廿日市町史」所収)には「上屋敷 九畝廿壱歩 壱石七斗四升六合 御茶屋」と記される。享和二年(一八〇二)当時の様子は尾張商人菱屋平七の「筑紫紀行」に「また山の尾(藤掛尾)先を廻り、海岸の下を通りて二十丁計行けば廿日市宿、人家千軒ありといへり、おほくは瓦葺にて宿屋茶屋多く町長し」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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