序開(読み)じょびらき

精選版 日本国語大辞典 「序開」の意味・読み・例文・類語

じょ‐びらき【序開】

〘名〙
江戸時代歌舞伎で三番叟・脇狂言に次いで演じられた、一番目狂言最初一幕本筋と関係なく、下級役者が演じたもので、多くは喜劇仕立てで、早朝に演じられた。
評判記役者口三味線(1699)京「まづ序びらき。宮すずめの思ひつきよし」
物事の始まり。発端
談義本・艷道通鑑(1715)一「あたり咄のうけ売するにそろそろ口拍子よければ、もはや己がほするが戯気(たはけ)の序開(ジョビラキ)、それより人をはまらせはなしを打込
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉三「大方草稿を書き卸す序開きとして妙な声を発するのだらう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報