広狭自在無礙門(読み)こうきょうじざいむげもん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「広狭自在無礙門」の意味・わかりやすい解説

広狭自在無礙門
こうきょうじざいむげもん

中国仏教で大成した華厳教学において説く十玄門の一つ。十玄門とは,事事無礙法界すなわち現象そのままが不可思議無礙であるとする世界の相を十方面より説示したもので,初めに華厳宗の次祖智儼 (ちごん) が古十玄と称される十玄門を説き,さらに法蔵がこれを改めて,『探玄記』中に新十玄を述べている。広狭自在無礙門とは,新十玄に説かれるもので,空間の広さも狭さも互いに一つになって相互に働きが入り交って障害とならないという意味である。古十玄の諸蔵純雑具徳門にあたるものである。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android