平蜘蛛・扁蜘蛛(読み)ひらたぐも

精選版 日本国語大辞典 「平蜘蛛・扁蜘蛛」の意味・読み・例文・類語

ひらた‐ぐも【平蜘蛛・扁蜘蛛】

〘名〙
クモ綱クモ目ヒラタグモ科のクモ。体長六~一〇ミリメートル。体は卵形で、腹部がやや平たい。足と頭胸部暗褐色。腹部は灰白色で中央には大黒斑がある。塀や壁に丸くて平たい巣をつくり、夜出て昆虫捕食。本州以南の各地に分布。中国にすむ近似種は本種と同様な巣をつくり、漢方ではそれを壁銭(へきせん)と呼び血止めの薬とする。ひらぐも。
※雑俳・登梯子(1705)「きうくつな住めば都かひらた蜘」
② 転じて、平身低頭して詫びるさまをいう。ひらぐも。

ひら‐ぐも【平蜘蛛・扁蜘蛛】

〘名〙
古今著聞集(1254)六「管中に平蛛のありけるが」
② 平身低頭するさま。はいつくばるさま。
浄瑠璃女殺油地獄(1721)下「さいたる店にひらぐものひったり身を付身を忍ぶ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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