干潟(旧町名)(読み)ひかた

日本大百科全書(ニッポニカ) 「干潟(旧町名)」の意味・わかりやすい解説

干潟(旧町名)
ひかた

千葉県北東部、香郡取(かとりぐん)にあった旧町名(干潟町(まち))。現在は旭市(あさひし)の北部を占める地域。旧町域は下総(しもうさ)台地と九十九里平野北部に位置する。1955年(昭和30)古城(こじょう)、中和(ちゅうわ)、万歳(まんざい)の3村が合併して町制施行。2005年(平成17)、旭市に合併。旧町域は1670年(寛文10)江戸の町人白井次郎右衛門(じろうえもん)によって太平洋へ通じる湖沼椿海(つばきうみ)の干拓工事が完成し、新田集落が発生、「干潟八万石(ひかたはちまんごく)」とよばれた。地名はこれに由来する。幕末には大原幽学(ゆうがく)が長部(ながべ)(村)に定住して、土地改良、耕地整理、協同組合経営などを指導した。大原幽学遺跡は国史跡に指定されており、1988年(昭和63)幽学没後130年祭が催され、1990年(平成2)大原幽学遺跡史跡公園が完成、園内に1996年大原幽学記念館が開館した。農業は養豚に主力が置かれ、大利根(おおとね)用水が通じ、早場米が生産されるほか、キュウリ、トマト、シュンギクシシトウ、花卉(かき)、イチゴのハウス栽培など多様な作物の生産が行われる。1990~1993年に工業団地も造成された。

[山村順次]

『『干潟町史』(1975・干潟町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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