幕西町
まくにしちよう
[現在地名]室蘭市幕西町・
海岸町二丁目・
中央町一丁目
明治六年(一八七三)から同三三年六月までの室蘭郡の町。絵鞆半島の中央に位置し、札幌通三丁目南詰手前より西に入る通り一帯で、北は沢町、南は常盤町(明治一五年「室蘭港市街図」北海道志巻二など)。近世はマクニシとよばれた。明治六年一二月新室蘭の町名区域が決定し、「幕西町」は札幌通四丁目の「道幅四間・弐拾四番屋敷横町」とされ、ほかに札幌通三丁目の「鎮守社地・拾九間空地ノ辺」である「幕西台」がある(「室蘭郡各区並町名之義ニ付伺奉候書付」新室蘭市史)。札幌本道建設時から女郎屋・料理屋・梅毒検査所などがあって、新室蘭の遊女街であったが、この環境を改めるため、同二五年四月に本町老名牛(追直)の一部を遊廓区域に指定した。
幕西町
まくにしちよう
大正一一年(一九二二)四月に成立した現在の室蘭市の町名。絵鞆半島の中央部に位置する。もとは室蘭区大字幕西町で、大正一一年四月に室蘭区幕西町となった(「大字廃止及町名番地改称の件」昭和一六年室蘭市史)。同年八月の市制施行により室蘭市幕西町となる。明治末期以降、室蘭の歓楽街として発展し、大正期から昭和初期には料理屋八〇軒、娼妓・酌婦二〇〇人ほどがいて活況を呈した(以上「新室蘭市史」)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報