帽額(読み)モコウ

デジタル大辞泉 「帽額」の意味・読み・例文・類語

も‐こう〔‐カウ〕【額】

御簾みす御帳みちょうの懸けぎわを飾るために、上長押うわなげしに沿って横に引き回す布帛ふはく水引幕の類。額隠ひたいかくし。
1文様として使用されたところから》窠紋かもん異称。もっこう。

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精選版 日本国語大辞典 「帽額」の意味・読み・例文・類語

も‐こう ‥カウ【帽額】

〘名〙
① 御帳や御簾の懸けぎわを飾るために、上長押に沿って横に引き回す布帛。窠(か)に伏蝶(ふせちょう)の文様を染めるのを例とする。また、儀礼によって殿舎正面や舞台の側面に引き回して用いる。後世の水引幕の類。ひたいかくし。もっこうぎぬ。
※延喜式(927)一五「装餝舞台。設冐甲四条。下敷両面帳一条。鎮子廿廷
※能因本枕(10C終)七八「三尺の木丁を立てたるに、もかうのしもはただ少しぞある」
② (①の文様として使用されたところから) 「かもん(窠文)」の称。
増鏡(1368‐76頃)一三「萌黄の下襲、御家の紋のもかうを色々に織りたりしにや」

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世界大百科事典(旧版)内の帽額の言及

【帳】より

…四幅のもの4条と五幅のもの4条の2種類からなり,帳台の四隅にまず四幅の帷をかけ,ついで五幅の帷を四方の中央に垂らす。そしてさらにこれに重ねて上方に帽額(もこう)とよぶ1条の横布を四周にめぐらす。軟障は幔幕(まんまく)に似た間仕切,幌は戸口にかける暖簾(のれん)である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」