帰命(読み)キミョウ

デジタル大辞泉 「帰命」の意味・読み・例文・類語

き‐みょう〔‐ミヤウ〕【帰命】

《〈梵〉namasの訳。音写南無仏語。仏の救いを信じ、身命を投げ出して従うこと。帰依

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精選版 日本国語大辞典 「帰命」の意味・読み・例文・類語

き‐みょう ‥ミャウ【帰命】

〘名〙 (namas の訳語) 仏語。仏の教えを信じて、そのまことを表わすこと。南無。
※康頼宝物集(1179頃)下「魔王の現る形とは思ながら、帰命の念を成けるが故に既果を得つ」 〔起信論疏‐上〕

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改訂新版 世界大百科事典 「帰命」の意味・わかりやすい解説

帰命 (きみょう)

サンスクリットのnamasを漢文仏典では帰命とも南無(なむ)とも訳しており,この両語は同じく〈頭を下げ敬意を示すこと〉,帰依(きえ)を意味している。したがって〈帰命頂礼(きみようちようらい)〉(額(ひたい)を地上につけて最敬礼すること)のように身体の動作と,〈至心帰命(ししんきみよう)〉(心中でひたすら帰依すること)の両面をふくんでいる。しかし,中国や日本の仏教においては帰と命にそれぞれ独立の意味を与えて,帰は〈かえる,したがう〉などの意に,命は〈寿命,教命(きようみよう)〉などの意に解釈し,〈仏の教命(教え)にしたがうこと〉〈人間の寿命のよって起こる根源にたちかえること〉〈命をささげて信ずること〉など,各宗派においてさまざまな解釈がなされている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「帰命」の意味・わかりやすい解説

帰命
きみょう
namas

仏教用語。南無と音写する。本来,身体を屈して敬礼することをさし,特に合掌することをいう。転じて,全身全霊をもって仏陀に傾倒することなどと解釈されるようになった。

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