帖村(読み)ちようむら

日本歴史地名大系 「帖村」の解説

帖村
ちようむら

[現在地名]志布志町帖

現志布志町の南部中央、南西流して海(志布志湾)に注ぐまえ(志布志川)流域にある。東は志布志郷夏井なつい村、西は同郷安楽あんらく村、南は同郷町畠まちはた村、北は同郷内之倉うちのくら村。南は一部海に面し、前川河口の権現ごんげん島、沖合四・五キロほどの所に浮ぶ枇榔びろう島も当村に属する。応永一七年(一四一〇)二月一八日の島津玄喜安堵状(旧記雑録)に「日向国内倉帖」とみえ、内之倉とともに由緒に任せて内倉豊前介に安堵された。日向国諸県もろかた郡に属し、近世初期までは町畠村と合せて志布志村と称された。志布志郷に属し、中世以来の志布志城麓の居館跡に地頭仮屋、その周囲に衆中の集住する麓が形成された。付近には律宗宝満ほうまん寺をはじめ、真言宗大性だいしよう院、曹洞宗永泰ようたい寺、臨済宗大慈だいじ寺、天台宗石峯せきほう寺、時宗海徳かいとく寺などがあった。東方柳井谷やねだん地区から奴久見ぬくみ(現宮崎県串間市)へと至る間道には田床たどこ辺路番所と川原田かわらだ辺路番所が置かれ、田床辺路番所には番人九人、川原田辺路番所には番人二人が配されていた(志布志旧記)

寛文四年(一六六四)の郡村高辻帳に志布志村とあり、高二千一三石余でこの数字は町畠村を含む。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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