市場分析(読み)しじょうぶんせき(英語表記)market analysis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「市場分析」の意味・わかりやすい解説

市場分析
しじょうぶんせき
market analysis

企業が市場調査の一部として、市場の大きさを測定し市場特性を判定すること。広義には市場調査と同義に用いることもある。固有の市場分析の内容は、需要の測定と販売予測を中心にしており、この点で市場予測との関連や相違は、かならずしも明確でない。

 市場分析は、まず過去の販売分析から始められる。次に自社の潜在市場と潜在販売可能性の分析へと進む。これは、現在、市場の潜在販売高、地域別潜在市場の大きさと特性、市場の趨勢(すうせい)などを分析して、販売予測に到達するもので、市場分析の中心部分を占め、販売戦略策定の基礎になる。これらに必要な資料の収集方法としては、販売関係者の見通しの集計、消費者を対象にした調査、経営者の判断などがあるが、これらに企業内外の既存資料を加味し、指数化、傾向分析、相関分析、多変量分析、ORなどの操作により、最終的市場情報を導き出すようにする。

[森本三男]

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改訂新版 世界大百科事典 「市場分析」の意味・わかりやすい解説

市場分析 (しじょうぶんせき)
market analysis

ある製品の市場が現在どのような状況にあるか,また将来どのように変化するかについて調査,解明すること。通常多数の計量的資料(市場データ)が利用され,これらを多様な手法を用いてデータのもつ正しい意味をさぐり,意思決定者にわかりやすい形で提供することが求められる。
マーケティング・リサーチ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「市場分析」の意味・わかりやすい解説

市場分析
しじょうぶんせき
market analysis

市場の規模,構造,特性などを明らかにするために,企業内外の資料を計数的に分析処理すること。手法としては,平均値,構成比などの単純な比較から,複雑な数学モデルによって結論を求める場合までいろいろある。特にオペレーションズ・リサーチ OR,決定理論情報理論などの導入によって,その分析技法はかなり高度なものとなってきたが,それ以前に分析すべき資料の精度と選択が問題である。市場調査技法の一つ。

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