差響(読み)さしひびく

精選版 日本国語大辞典 「差響」の意味・読み・例文・類語

さし‐ひび・く【差響】

〘自カ五(四)〙 (「さし」は接頭語) ひびく。他に悪い影響が及ぶ。
文明論概略(1875)〈福沢諭吉〉五「全国の経済に差響きたる有様も」
[語誌]同義の「影響」と並存し、明治二〇年前後から、同じ文脈中で「真に互に差響かずして、人間の認識及び生活に影響せぬほどさほどに隔離れたる境界ありや」〔二葉亭四迷「カートコフ氏美術俗解」〕と用いたり、二つを結びつけて「影響(サシヒビキ)」〔坪内逍遙小説神髄」〕と訓む例も現われるが、サシヒビクは次第にすたれ「影響」が一般的になった。

さし‐ひびき【差響】

〘名〙 他に影響が及ぶこと。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉二「且つ我が国制度にも差響(サシヒビ)き不都合の廉尠なからず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android