差退・差除(読み)さしのく

精選版 日本国語大辞典 「差退・差除」の意味・読み・例文・類語

さし‐の・く【差退・差除】

[1] 〘自カ四〙 (「さし」は接頭語)
① しりぞく。遠ざかる。離れる。去る。立ちのく。
※夜の寝覚(1045‐68頃)一「あつきに、さしのきてをと、さりげなくいひなして」
② 縁が薄くなる。親しみの気持が薄れる。
※栄花(1028‐92頃)峰の月「さしのきたる人々の心地だに、いといみじうあはれに悲しきに」
③ あきあきしていやになる。
※米沢本沙石集(1283)六「余りに長くして、日景(かげ)かたぶきければ、見物者共さしのきて」
[2] 〘他カ下二〙 (「さし」は接頭語) しりぞかせる。立ち去らせる。離れさせる。また、とりのぞかせる。
源氏(1001‐14頃)葵「よき女房車多くて、雑々(ざふざふ)の人なき隙を思ひさだめて、みな、さしのけさする中に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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