差当・射当（読み）さしあたる

精選版 日本国語大辞典

さし‐あた・る【差当・射当】

〘自ラ五（四）〙

① (「さし」は光が照射する意) 光などが直接当たる。直射する。

※能因本枕（１０Ｃ終）七「御猫〈略〉日のさしあたりたるに、打ちねぶりてゐたるを」

② (「さし」は接頭語) その事に出会う。その場に行き当たる。当面する。直面する。

※枕（１０Ｃ終）二八「はやう見し女のことほめいひ出でなどするも〈略〉にくし。まして、さしあたりたらんこそおもひやらるれ」

※徒然草（1331頃）一八八「まづさしあたりたる目の前の事にのみまぎれて月日を送れば」

③ (「さし」は接頭語) 眼前に明らかになる。

※曾我物語（南北朝頃）一「此状を披見ありて、さしあたる道理にわづらひけるよと」

出典　精選版 日本国語大辞典