差出・射出(読み)さしいず

精選版 日本国語大辞典 「差出・射出」の意味・読み・例文・類語

さし‐い・ず ‥いづ【差出・射出】

[1] 〘自ダ下二〙
[一] (「さし」は光が照射する意) 輝き出る。照り出す。
古今(905‐914)羇旅・四〇六・左注「月のいとおもしろくさしいでたりけるをみて」
[二] (「さし」は接頭語)
① あらわれる。外へ出る。外に姿を現わす。人前に出る。また、出仕する。
伊勢物語(10C前)八七「さる滝のかみに、わらうだの大きさして、さしいでたる石あり」
今昔(1120頃か)六「河の中より翁差出でて、此の鍋(かなへ)を乞ふ」
② 分を越えて進み出る。出すぎたことをする。でしゃばる。
※能因本枕(10C終)二五「物語などするに、さし出て我ひとりさいまんくるる者」
山家集(12C後)下「月に恥ぢてさし出られぬ心かな眺むか袖に影の宿れば」
③ 生まれ出る。生まれる。
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「かう、やむごとなき御腹に、おなじ光にて、さしいで給へれば」
[2] 〘他ダ下二〙 =さしだす(差出)
蜻蛉(974頃)下「上達部(かんだちめ)、手ごとに菓子(くだもの)などさしいでつつ」

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